日本の医療において、今では臨床検査技師の存在は必要不可欠になっています。臨床検査技師は、簡単に説明すると、患者に対して診療を目的とした検査をする職種です。今でこそ臨床検査技師の仕事ですが、以前は医師が臨床検査を行っていました。しかし、近年医療が進歩するとともに、医療従事者の業務も分業化が進み、さらに検査内容も高度化してきたため、臨床検査を専門とする職種が登場することになったのです。
臨床検査には、大きく検体検査と生体検査の2つに分けられます。まず検体検査とは、患者の血液や細胞組織といった検体を用いて検査することです。一般検査に始まり、生化学検査、病理検査など多岐にわたります。また、臨床検査技師は検査の他、検査を目的とする採血や検体採取を行うことも珍しくありません。
そしてもう1つの生体検査では、心電図検査に呼吸機能検査、神経機能検査など、検査機器を使用して検査を行っていきます。検体は用いずに患者の体を直接検査するため、検査時の説明や気遣いも必要になってきます。このことから、生体検査に携わる臨床検査技師は、コミュニケーション力が欠かせないと言っても過言ではないでしょう。
臨床検査技師になるには、臨床検査に関わる短大か大学、専門学校での養成課程を修了することが求められます。そのうえで、2月に行われる資格試験で200点満点中120点以上を取らなくてはいけません。そこで合格してようやく、臨床検査技師として働けるようになります。実際の現場では、検査データによって患者の治療方針などが左右されることもあるため、臨床検査技師の仕事は重要なのです。